Home » Fishing Report » 2005 / 岩魚釣行 » 2005.06.18
本日はMITAさんに誘って頂き、群馬県の水上地区に釣行。
今日、ミノーイングで狙うのは「武尊岩魚(ホタカイワナ)」。
武尊岩魚とは、群馬県武尊山水系に生息する岩魚の地域固有種である。
そして、地域固有種を守る為に、地元漁協は放流を一切行わずに純血を守っているらしい。
午前3時に、木曜日から水上入りしているMITAさんと合流。
そして、明るくなるまで準備をしながら暫く井戸端。
午前4時半、MITAさんのボートで出船。
ここにはレンタルボートがないので、ボートは持ち込みするしかない。
他船を見ると、此処はトローリングがメインの場所のようである。
流木に気を付けながら、本流筋のポイントへボートを走らせる。
初めての場所だけに、新鮮で、景色を見ているだけでも心地良い。
勿論、何度来てもこの景色は心地良いだろう。
暫くすると、本流筋のポイントに到着。
そして、キャスト開始。
すると、MITAさんの1投目に、いきなり良型の武尊岩魚が追ってきて、船の手前で反転していった。
いきなりの反応にワクワクしながら、私もキャスト開始。
すると2投目、LKJ-130Fに武尊岩魚がヒット。
なかなかのサイズだったが・・・バラシ。
残念。
気を取り直して、沖目を狙ってみると、今度は良型の武尊岩魚がLKJ-130Fにチェイスしてきた。
アクションを高速にしていくと、魚が狂いだしたが・・・
距離が足りず、船際で反転。
沖目の反応が無くなったところで、再び岸側を高速アクションで狙ってみる。
すると、数投目に武尊岩魚が狂ったように激しくチェイスしてきた。
これは喰ったな.....と思ったが、結局船際まで来てしまった。
そして、この魚を最後に、反応は全く無くなってしまった。
ヒットしたあの魚をバラさなければ・・・
ということにならないよう願いつつ、ポイント移動。
スノーブリッジ。
写真では解りづらいが、流れ込みに雪の橋が架かっている。
朝方の水温は16℃。
ミノーイングで釣るにはかなり厳しい水温になってしまっているようである。
その後も武尊岩魚を求めて色々なポイントを叩いてみるが・・・
風が止んでしまい水面が静かになってしまったので、かなり厳しい状況である。
その間の反応は、40cm未満の魚の1反転のみ。
やはり、ミノーイングにおいて、水面のザワつきが大事なのは何処でも一緒である。
風の当たっている場所を探して、のんびりクルージング。
しかし、何処に行っても、静かな湖面が待っている。
そして、午前7時を過ぎたところで完全にロッドを置き、雑談しながら風を待つことに。
まぁ、この景色の中、のんびりボートで揺られているだけで、気分は最高である。
陸っぱりを寄せつけない地形。
当然、道すら無い。
ここ数ヶ月間、芦ノ湖、中禅寺湖と、陸っぱりの有無を気にしながらポイントを探す釣りをしていただけに・・・
岸に人が全く居ないこの場所は天国のように思えてしまう。
此処ではボートを降ろす場所の周辺以外に、人工物を目にすることはない。
道路も民家も一切無く、目に映るのは自然の景色だけ。
そして、何といってもゴミが無い。
これは、鱒釣りに魅せられた常連の方々の「ゴミを捨てない」という当たり前の行動と、そして何より此処を愛する方々の地道な努力と活動の賜物と言っていいだろう。
また、周囲に道がない為、一般の観光客が来られるのはボートを降ろす場所の周辺くらい...ということも関係しているだろう。
しかし、此処は現在、この状態の存続を脅かす重大な問題に直面している。
此処を訪れた方なら分かると思うので、その内容は敢えて書かないが、常連の方々を含め、此処を愛する人々によって守られてきたこの状態がいつまでも続くよう、切に願っている。
あくまでも、釣り人としての視点であるが。
結局、昼過ぎまで風は殆ど吹かず、たまに湖面が揺らいだ時だけキャストし、再び眩しい緑に囲まれてのんびりと休憩....を繰り返す。
私は、このような、釣果に固執しない緩やかな時間の流れ方が大好きである。
14時頃になると、本流筋に若干だが風が吹き始めてきた。
風が湖面を騒がせる程度に吹いた時だけキャストをしていく。
おっ、出た!
突然、深場から飛び出してきた武尊岩魚が、LKJ-130Fにチェイス。
そして、再び深場へと消えていった。
後半戦スタートの合図かな?
14時半過ぎになると、太陽が雲に隠れることが多くなり始めた。
曇った時がチャンスですね....などと言いながら、曇った時と風が僅かに強くなった時が重なった時を狙って叩いていく。
ググンっ!
待ちに待った瞬間。
深場から飛び出してきた武尊岩魚が、LKJ-130Fの高速アクションに喰いついてきた。
早朝チェイスしてきた魚と比べると可愛いサイズだが、初魚種なので慎重にランディング。
初めて手にする武尊岩魚は37cm。
嬉しい!
MITAさんにお礼を言い、再びキャスト開始。
しかし、再び風が止んでしまった...。
その後、沈黙の時が流れる。
そして、15時半になったところで、ボートの片付けがあるので、納竿・撤収。
今日は本当に楽しく、刺激的な一日であった。
こんな素晴らしいところに案内してくれたMITAさんに、本当に感謝である。
最後に・・・
今回、此処が何処なのか実際の名称は出していないが、文章や写真を見て調べればすぐに分かるだろう。
もし、此処を訪れる機会がある時は、此処を守るために甚大な努力をしている人達が居る...ということを忘れないで欲しい。
たった一度だけの釣行でこのような事を書くのは可笑しいと思うかもしれないが、そう書かずにはいられない不思議な魅力が此処にはあるのである。
壊すのは簡単だが、元に戻すのは並大抵のことではない。