Home » Fishing Report » 2006 / 岩魚釣行 » 2006.06.17
今年も武尊岩魚を求めて、群馬県水上地区に釣行。
昨年の釣行以来、すっかり此処の虜になってしまったようである。
豊かな自然、そしてゆったりとした時間の流れ・・・
この静かな空気に包まれていると、釣果なんてどうでも良く思えてしまう。
そんな不思議な魅力が、此処にはある。
で、此処は実際、どんなところかというと・・・
こんなところである。
これは、今年も同船させていただいたMITAさんが、つい先日遭遇した場面である。
気配を殺してキャストしていたところ・・・
ボートから約10mほどの距離で、いきなり「ドッボーン!!」という音がして・・・
驚いて、音のした方を見てみると、2頭のツキノワグマが喧嘩?していたそうである。
私も一度で良いから、見てみたいものである。
勿論、ボートの上など「安全な場所」から。
◆2006.06.17(土)07:40-19:30
東京を午前2時過ぎに出発し、午前5時頃にゲート前に到着。
そして、ここでMITAさんと合流。
午前6時にならないと山道入り口のゲートが開かないので、それまで暫く休憩。
午前6時になったところで山道を上り・・・
そして、スロープからボートを湖に降ろす。
午前7時半、準備を済ませて出船。
一年ぶりに見る風景・・・
やはり心地良い。
しっかし、今日は良い天気。
出船直後に風も止んでしまったので、ポカポカ陽気の中、キャストもせずに景色を見ながらくつろぎモード。
まぁ、のんびり行きましょう。
もともと今日は、夕方だけ釣りが出来れば良いと思っていたので、箱根や日光など普段の釣行時に良くある「風に対する焦り」のようなものは無い。
取りあえず、ミノーの泳ぎのチェックがてら数投した後、再びのんびり休憩モード。
暫くすると、常連の方々が山菜を採りに沢に入るというので、同行させていただくことに。
山菜を採りながら、沢を上っていく。
私は山菜料理が大好きだが、山菜の種類には詳しくないので、どれが食べられるものか、どれが食べられないものか....ほとんど見分けることが出来ない。
周辺に生えている殆どの野草が食べられそうに見えてしまう。
冗談抜きで、どれも美味しく食べられそうに見えてしまうのだ。
しかし実際は、同じような葉の形をしていても、全く違う種類のものだったりする。
特に「ニリンソウ」と良く似ている「猛毒のトリカブト」を間違えたりしたら、ハッキリ言って洒落にならないだろう。
やはり、30種類近くあるといわれる毒草を覚えるまでは、下手に採らない方が良いかもしれない。
11時を過ぎたところで、再び湖上へ。
相変わらず鏡のような湖面なので、本流筋に移動してみることに。
本流筋に移動すると、時折風で湖面が揺らぐ場所があるので、湖面が揺らいだ時だけキャストしていく。
そして、風が止んでしまったら、再びのんびり休憩。
まぁ、もし今日風が吹かなくても、まだ明日もあるし。
こういう緩やかに時間が流れる場所に来た時は、自分もその流れに同調するのが一番である。
ちなみに水温は下流で14.5℃、上流に行くと5℃・・・
というように、かなり差が激しい。
そして、ワカサギは・・・
ところどころ岸際に小型サイズの元気なワカサギが居る...という感じで、数自体はかなり少ないようである。
また、弱って浮いているワカサギは二日間通して、1匹も確認出来なかった。
虹色の雲というのも、なかなか綺麗なものである。
ふと、時計を見ると・・・まだ13時。
まぁ、15時頃までに風が吹き始めてくれれば良いかな。
14時頃になると風が吹き始めてきたので、キャスト開始。
ミノーから伝わる感覚に集中して、キャストしていく。
のんびりする時は思いっきりのんびりし、釣りをする時は全神経を研ぎ澄まして集中する。
ミノーのアクション同様、何事も緩急が大事・・・
などと吐かしてみたりして。
15時を過ぎた頃、LKJ-130F銀箔に待望のヒット。
しかし、魚の姿を見ることなく・・・バラシ。
何だったんだろう?
その後、風が止んでしまったので、上流へと移動。
すると、船際でいきなりヒット。
あっ・・・
ヒットした魚は・・・此処に居てはならない魚。
此奴のおかげで、此処は今、悪循環に陥ってしまっている。
勿論、魚に罪は無い...というより、この魚自身も被害者なのだろう。
悪いのは、金に目のくらんだ一部の頭の悪い人間である。
上流部は風が抜けにくいので、下へ移動。
そして、風で湖面がザワついている所を狙って叩いていく。
喰え!!!
くぅ~...
突然、LKJ-130Fの後ろに武尊岩魚が姿を現したが・・・
見切られてしまい、再び深場へと消えてしまった。
しかし、久しぶりの反応だけに、やる気は倍増。
再び、気合いを入れて叩いていく。
ゴンッ!!!
突然、LKJ-130Fに衝撃。
しかし、フッキングせず。
手ぶらで戻ってきたミノーのフックを見ると、サクラマスの鱗が刺さっていた。
残念。
その後、再び風が止んでしまったので、流れ込みなど、水流に変化の起こる場所を叩いていく。
しかし、全く反応無し。
そして、暗くなってきたところで、納竿前のアガリ3投。
グンッ!
何と、最後の1投にヒット。
しかし、何だか引きが変だ。
まさか・・・
やっぱり。
揚がってきたのは、例の魚。
そして19時半、納竿・撤収。
そして夕食は・・・
此処の常連である生方さん御夫妻にお招きいただき、生方さんのテントで常連の方々との楽しい宴会に参加させていただくことに。
昼に採った山菜料理に魚に肉に・・・と、本当に豪華な夕食となりました。
そして、熊との格闘話や某湖で釣った82cmの桜鱒の話等々、個性的で一本筋の通った常連の方々の楽しい話の数々。
生方さん、そして皆様、本当に有り難う御座いました。
そして23時前に車に戻り・・・
夜から降り始めた雨音を聞きながら、あっという間に夢の中。
◆2006.06.18(日)04:30-13:30
午前3時に目を覚ますと、雨は相変わらず降り続いていた。
今日は雨の中の釣りかな?
しかし、午前4時には雨が止み、午前4時半に出船。
朝一は予定通り、昨日から暖めていたポイントである「M滝」へと直行。
ところが・・・
その周辺だけ湖面がマッタリしていて・・・
反転すらなく、不発に終わってしまう。
そこで、移動しながら、風の当たっているポイントを探して叩いていく。
昨日の状況からいって、朝一を外してしまうとかなり厳しいだろう。
取りあえず、周辺の湖面がザワついている所を叩いた後、上流部へと移動。
しかし、あまりに湖面が静かなので、再び下へと移動。
途中、トローリングの方に反応を聞いてみると、「ダメ...」とのこと。
今日もかなり厳しいのかな?
そこで、昨日魚の反応があったエリアを重点的に叩いていく。
幸い、湖面も良い感じでザワついている。
暫く叩いていると、ようやく30cm半ばの武尊岩魚のチェイスがあったが・・・
喰わせられず。
再び叩きながら下っていくと、先程と同じようなサイズの武尊岩魚が船際で反転。
しかし、その後は反応無し。
暫くすると、風が止み、雨が降りだしてきた。
しかし、湖面をザワつかせるほどの雨量ではない。
という訳で、暫く休憩。
雨の日の景色というのも、なかなか良いものである。
朝食を食べながら、「最後にドラマがありますよ」などと話していると、山菜採りから帰ってきた高柳さんと遭遇。
そして暫しの間、湖上井戸端モードに。
この高柳さんは、長い間、此処の自然を守ってきた人であり、この一帯の全てを知り尽くしている人でもある。
そして何より、その豪快で気さくな人柄は人間として魅力的であり、此処を訪れる多くの人が慕うのも頷ける。
「昨日、あっちもこっちも引っ張ってみたけど、魚、居ねえよ!(笑)」
『厳しいですね。』
「流れ込み、行ったか?」
『○○や××に行きましたけど、出てきませんでした。』
「でも、今の時期はやっぱり流れ込みに行った方が良いよ!」
そこで、今日まだ行っていない沢へ移動。
しかし、あまりにも湖面が静かすぎるので、数投した後、本流筋に移動。
本流筋に行くと、流石に水量が豊富なだけあって、魚の警戒心を和らげるくらいのザワつきはある。
ちなみに水温は4℃。
上流からは雪の塊が次々と流れてくる。
そして1投目、対岸上流の淀みにミノーを落とし、流れに負けないようにアクションを入れながら、瀬を通していく。
すると、いきなり40cm前後の武尊岩魚がヒット。
しかし、フッキングが甘く・・・バラシ。
ヤバイ・・・最後のドラマが・・・
気を取り直して、再びキャスト開始。
すると2~3投目、LKJ-130Fの後ろからなかなか良型の武尊岩魚が追ってくるのが見える。
『MITAさん、結構良いのが追ってきた!』
しかし、ミノーは・・・
その武尊岩魚を引き連れたまま、あっという間に船際まで来てしまった。
網で掬えば掬えてしまいそうな距離にまで追ってきた武尊岩魚・・・
こういう状況は箱根のブラウンで何度も経験しているが、こういう時は「ミノーを更に速く動かす」と喰いつく場合と、「ミノーを殆ど移動させずに細かく動かす」と喰いつく場合の二通りがある。
ミノーを全く動かさずに浮かべておいたら喰いついたこともあったけど...。
そして、その時の魚の気分と逆のアクションを選択してしまうと・・・
すぐに反転されてしまう。
さて、どうする?... どうする、俺っ。
などと、オダギリ君のように考えている暇は勿論なく・・・
目の前まで追ってきた武尊岩魚にドキドキしながら、LKJ-130Fを小刻みに動かすと・・・
ジャバッ!!!
バシャバシャバシャ!!!
おっしゃぁ~!!!!(喜)
竿先からラインが1m程しか残っていないので、一旦ドラグを緩めてラインを送り出す。
その後、慎重にやり取り開始。
そして、午前9時30分・・・
昨年よりもサイズUPした、48cmの武尊岩魚を無事ランディング。
今年も武尊岩魚を拝むことができ、そしてその綺麗な魚体に感激。
このくらいのサイズになると、上顎が割れて三ツ口になっているので、なかなか迫力のある顔つきである。
こういう魚に出逢うことが出来るのも、MITAさん、高柳さんのおかげであり、本当に感謝・感謝・感謝であります。
暫くの間、ポイントを休めた後、キャスト再開。
すると、今度はMITAさんの自作ミノーに武尊岩魚がチェイス。
しかし、残念ながらフッキングまでには至らず。
少しポイントを休めてから再びキャストをしてみたが・・・
その後は全く反応無し。
そこで、再び別の沢に移動。
しかし、何処も湖面がマッタリとしていて、かなり厳しい状態。
勿論、魚の反応は無い。
12時頃になると雨は止み、一気に空が明るくなってきた。
風も完全に収まってしまい、湖面は鏡状態。
気温もグングンと上昇して、まさに観光日和に。
流石に二日間走り回ったので、ボートの燃料も僅かしか残っていない。
この量での長距離移動はかなりヤバイので、近場で湖面状態の良いところを探して叩いていくことに。
しかし・・・辺り一面、鏡のような湖面が広がっている。
そこで、暫くのんびりと休憩モード。
このまま待っても風は吹きそうにないし、ボートの片付けもあるし・・・
という訳で、13時半・・・納竿・撤収。
しかし、此処は本当に気持ちの良いところである。
この状態がいつまでも続くことを・・・
そして、現在陥っている悪循環から早く脱却出来ることを願わずにはいられない。
もし、此処を訪れる機会がある時は、此処を守るために甚大な努力をしている人達が居るということを忘れないで欲しい。
壊すのは簡単だが、元に戻すのは並大抵のことではない。