2002.11.15 (fri) ~ 2002.11.24 (sun)

ガチンコ本戦「横濱vs湾奥」&「右vs左」10日連続釣行!

 

by HATTORI

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11月15日、午前0時・・・

「横濱vs湾奥」&「全右連vs左巻団」ガチンコ本戦、スタート!



ルールは以下の通り。

■2002年11月15日 ~ 11月25日までの期間内に1人キーパー3尾(入れ替えOK)までを申請。

■その中から各チーム最大10尾の全長を合計し、長い方の勝利とする。

■キーパーサイズは全長50cm以上とする。



そして、賭けるものは・・・「プライド」のみ。



この仲間内の「本気でお遊びガチンコ本戦」の良いところは、変にギラギラしてないところ。

だから勝敗を気にせずに自分の釣りを楽しめる。

遊びの基本。



ちなみに昨年の私は・・・

結果だけから言うと、エントリーできるサイズは1匹だけ・・・という惨敗だった。

しかし、自分的にはかなり面白い10日間であった。



という訳で、今年も1年の締めくくりを兼ねて10日間連続釣行してみることに。

勿論、ポイントは自分の行動圏内のみ。

釣れてる情報を見て、そこに行って釣ったとしても何も意味がない。



そして今回、私は「水柱系ルアー(水面系)縛り」で挑戦。



勿論、ガチンコ本戦ルールにそんな縛りは無い。

ただ、自分の中でのドキドキ感を増すために、今回は「水柱ONLY」でやってみることに。







◆2002.11.15(金)19:30-23:10 初日


今日の干潮時の潮位は約80cm。

今日の釣行時間帯、そしてこの潮位で一番好きなポイントは荒川。

という訳で、荒川に釣行。



先ずは先日様子見をしたポイントに向かう。

しかし、風がうまくかみ合っていない。

すぐに見切りを付け、ポイント移動。



そして、プチウェーディング開始。

少しすると潮が少しづつ上げ始めてきた。



バシュッ!



水面をうねるS-FOUR11が、軽めの水柱と共に水中に吸い込まれる。



59cmのシーバス

体高がある銀ピカな59cmのシーバス。

取りあえず、エントリーサイズ。



再びキャスト開始。

暫くすると・・・



ズボっ!!!


ドボドボドボ!!!!




釣友が見守る中、一気に寄せに入る。

膝下くらいの浅瀬まで誘導しランディングしようと思ったら・・・



カシャ!



ヤベっ!



魚が咥えているルアーが足下の石に引っ掛かってしまった。

そして私が魚の口を掴む前に魚からフックが外れてしまい、サヨウナラ。

サイズは70cmくらい・・・非常に悔しい。

私も釣友も100%捕ったと確信していた。



気の緩み。



再びキャスト開始。



ジュボッ!


バシャバシャバシャ・・・




53cmのシーバス

出方は派手だが、53cm。

これも、取りあえずエントリーサイズ。



暫く反応のない時間が過ぎていく。

空気が冷たい。

首筋から寒さが身体を抜ける。

そろそろ完全防寒しないと辛いかな。



次第に強くなった北風が上げ潮と絡まり、水流がグチャグチャになっている。

良い感じ。



ジャブっ!



しかし、乗らない。

23時10分、友人と一緒に納竿・撤収。


中型バラして、小型をキャッチ。

ハハハ、笑うしかない。



■HATTORI
■4水柱 3Hit 2Get
■S-FOUR 11cm





◆2002.11.16(土)18:30-23:20 二日目


夕方、ネットで天気予報を見て唖然とする。

北東風/風速10m!



10m?・・・

果たしてルアーが前に飛ぶだろうか?



でも・・・今現在、窓の外はほとんど無風状態。

天気予報が外れることを願いつつ、取り敢えず行くだけ行ってみよう。

まぁ、天気予報なんていうものは、当たって欲しくない時には見事に当たり、天気予報通りになって欲しい時にはハズレるものであるが。



で、荒川に到着すると・・・北風微風。

早速、何かの時に貰ったウッドハンマー13cmからキャスト開始。

しかし現在の風向きと水位だと、狙いたいポイントまで飛ばない。

そこで、岸際のポイントを重点的に狙っていく。

しかし、感触がない。



暫くすると、下げが本格的に効きだし、水面も良い感じに。

この流れだと、アレとかアレなんか投げたら喰いそうなんだけどなぁ..。

しかし、水柱系ルアーでも出せるはず・・・そう信じて色々と試す。



バシュッ!!!


おお!すげえ~!!!




目の前で水面がブチ割れる。

心臓バクバク・・・しかし、ロッドは曲がらない。

まぁ、60cmくらいの魚でも、凄く派手な水柱をあげることもあるし、サイズに関しては何とも言えない。

今回は、魚の姿を見ていないので。



暫く水柱の余韻を楽しんだ後、再びキャスト開始。



・・・



たった1回の水柱で満足できる釣り。

乗らなくても十分楽しめる釣り。

こういうのも有りかな。

勿論、乗れば更に楽しいんだけど。



■HATTORI
■1水柱 0Hit 0Get
■WOOD HAMMER SLIM-13cm





◆2002.11.17(日)18:00-22:20 三日目


本日も荒川に釣行。

北北西の風が若干強いので、北北西ポイントに直行。



ポイントに着くと、水面は風で良い感じに荒れており、下げもガンガン効いている。

普段だったら嬉しいこの水面状態・・・

しかし、現在「水柱系ルアー縛り」で挑戦中。

水柱を楽しむには水面がマッタリしているほうが良いのになぁ・・・

などと贅沢なことを考えながら水面を見つめる。



風を利用してハンマー13をキャスト。

狙うのは水中に隠れた岩と岩の間でヨレた水が次にぶつかる隠れ岩の脇までの2m。

なんじゃそりゃ?



しかし・・・返事は無い。



暫くその周辺を休ませる為に、下流側のポイントを狙ってみる。

ここは流れが少しだけ弱くなる所で、いなっ子で溢れかえる所でもある。



やや上流からハンマーをその場所に送り込み、微妙な小細工を繰り返す。

ここは水面が落ち着いているので、水柱鑑賞には最適である。



しかし・・・「本日の公演は終了いたしました」というアナウンスが聞こえてきそうなくらい、何にも無し。



再び先程のポイントを狙っていく。

風は若干弱くなってきたが、流れは相変わらず複雑。



ボシュっ!


やった!




危険地帯から魚を強引に引き摺り出した後、慎重にランディング。

先日のように足下でバラしてしまうことがあるので、口を掴むまで気を抜けない。



60cmのシーバス

サイズは60cmだが、非常に嬉しい。

しっかし、綺麗な魚体である。



水柱の余韻を楽しみながら、再びキャスト開始。

しかし、その後水面が割れることはなかった。



これでエントリーサイズ3本は完了。

次からは入れ替え狙い。



でも、自分が狙っているこのポイント・・・明らかに魚の数が減っている。

さて、明日はどうなるのだろうか。



■HATTORI
■1水柱 1Hit 1Get
■WOOD HAMMER SLIM-13cm





◆2002.11.18(月)19:10-20:20 四日目


本日も荒川に釣行。

自分が釣行できる時間帯と潮位の関係上、このエリアは今日で最後になる。

昨日の感じからすると、かなり厳しいかもしれない。



そういえば、今夜はしし座流星群がピークを迎えるらしい。

昨年のような強烈な光は見えるのだろうか?

でも、今年は昨年と違って月明かりが邪魔するから見えないかな?



まさか、この後・・・

違った意味で強烈な光を見ることになるとは思いもしなかったが...。



19時過ぎにポイントに着くと、立っているのも大変なくらいの北西暴風。

大型が出るのはこういう日だ・・・

そう信じて、一人竿を振る。



しかし、魚からの返事は帰ってこない。



風は更に強くなり、軽く竿を振るだけでハンマー13がブッ飛んでいく。

ここまで風が強いとダメかな・・・と思っていると、別のポイントに入っていた釣友達がやって来た。

友人達が入っていたポイントは、ここよりも風が強く、かなり厳しいらしい。

というより、身の危険を感じたので撤収してきたようだ。



私は20mほど下流に移動し、キャスト再開。

少しすると、Oさんがこちらに向かってくる。

どうやらこの風速16mという強風と寒さに負けて諦めたようだ。

流石に私も諦め、ラスト1投。



ググっ・・・



おっ!・・・大きくアワセる。

だが・・・手元に生命反応は伝わってこない。

根がかりだ...。



しかし、ロッドを煽ると重たいものがゆっくりと動いている感じがする。

巨大なビニールシートを引っ掛けたような感触である。

勿論、魚ではない。

多分ゴミか流木だろう。

ロッドをラインと直線にして、そのまま寄せようとすると、ルアーが外れてくれた。

ふう~、良かった。



そして撤収しようとした時・・・

5m程下流の斜面の岩影がぼんやりと光っているのが見える。



???



『あれ?... Oさん、あの光・・・なに?』



二人でその岩の隙間を覗きに行くと・・・

そこには・・・

直径約5cm、高さ20cm位の蝋燭が3本束ねてあり、ユラユラと燃えていた。

そして、蝋燭を包んでいる紙には・・・

「卍の刻印」と、ある国の文字...。



『なんだ、こりゃ・・・なんかの儀式?』

「HATTORIさん、ずっとここに居て気付かなかったの?」



来た時にはその光に気が付かなかった。

多分岩の影になって気付かなかったのだろう。



その蝋燭は半分くらいまで燃えていた。

蝋燭が時間の経過でどの位燃えるのかは知らないが、私がそこに行く前に火をつけた可能性が大きい。

釣りをしている最中に、誰かがそこでそんな事をしていたら気がつくはずである。



謎の蝋燭に背を向け、不思議な気分で撤収。



『あの○○○○文字、なんて書いてあったんだろう?』

「気味悪いから、今晩調べてみる・・・何の儀式なのか。」

『わかったら教えてね。』

「HATTORIさん・・・帰り、運転気をつけてね。」



勿論、帰りは何事もなく無事に帰宅し、爆睡。





翌朝・・・Oさんから電話が入る。

「HATTORIさん、解ったよ、あの蝋燭の意味。」

『ほんと?なに?』

「知りたい?」

『知りたい。』

「知らないほうが良いこともあるよ...」

『そう言われると、余計に知りたくなるでしょ、普通。(笑)』

「あの蝋燭・・・○教の儀式だって。」

『へぇ~。で、意味は?』

「○教では●●って一番いけないことなんだよ。で、それでも●●する人はあの蝋燭で鎮めてから●●するんだって...。」

『なるほど。呪いの儀式とかじゃなくて良かった。』

「そうかぁ~?大して変わんねぇだろ.....俺、当分アソコには行けない...」

『そう?俺はそういうの平気。でも、××だけは釣りたくないね。』



ふと、最後に掛けたゴミの事を思い出す。

しかし、あの時は下げ潮が効いてたから違うだろう。



仕事中・・・KANZAKIさんから電話が入る。

「HATTORIさん、昨夜××に行ってきました~!」

『え?××に・・・昨夜、俺も××に行ってたよ。何時頃行ったの?』

「多分HATTORIさんが帰った後です。深夜の上げだったんで。」

『で、どうだった?』

「全くダメでした。おまけに白い大きなものが浮いてて、なんか人みたいで気持ち悪かったですよ~!(笑)」

『それって・・・本当に・・・かもよ。』

「え"っ・・・何でです?」

『いや・・・昨夜、ちょっとね・・・奇妙なことがあってね。』

「な、なんですかぁ?奇妙なことって?」

『うーん・・・儀式とか蝋燭とか卍とか・・・』

「え"っ・・・え"っ・・・な、なんですか?そ、それ・・」

『いや、今は知らない方が良いよ。今度会った時に詳しく教えてあげる。でも・・・』

「え?」

『見ちゃったかぁ・・・白い大きなものが浮いてるのを・・・』

「え"っ...」

『まぁ、いいや。それじゃぁね~。』

「え"っ...え"っ....」



私も相変わらず意地悪な性格である。

もしこれが他の人だったらすぐに詳細を教えてあげるのだが・・・

まぁ、KANZAKIさんはこういうキャラなので。(笑)



しかし・・・偶然とはいえ、タイムリーな男である。

KANZAKIさんの見たものは、一体なんだったんだろう?

ここの流れだと上げ潮で再びここに流れ着くとは考えにくいのだが...。

彼は何を目撃したのだろうか?

ただのゴミなら良いのだが。



再びOさんから電話が入る。

「HATTORIさん、例の件、違う説がでてきたんだよ。」

『へぇ~。どんな?』

「●●する時の儀式じゃなくて、霊を鎮める為の儀式みたい。」

『まぁ、どっちにしても同じようなもんじゃん。』

「でね、卍の上に書いてあった文字を見ればハッキリするから、その蝋燭の文字の写真撮ってこいって・・・」

『撮ってくれば。』

「やだよ~!!!そんな恐いこと出来るわけねぇじゃん!」

『大丈夫だって。でも、写真に変なものが写ってたら凄いね。(笑)』

「HATTORIさん、写真撮ってきてくれない?」

『今日は△△にウェーディングする予定だから無理。』



謎の蝋燭。

真実を知りたいとも思うが・・・

こういう事はハッキリさせない方が良いのでは・・・とも思う。



ま、謎は謎のままで。



■HATTORI
■0水柱





◆2002.11.19(火)19:30-23:20 五日目


本日は旧江戸川にウェーディング。

ここのところ、旧江戸川の良い噂はあまり聞かないが、そんなことはどうでも良い。

他人は他人、自分は自分。

自分で実際に釣りをしてみないことには始まらない。



一言で「旧江戸川」といっても、この川は広いのだ。

この広大なエリアの全部が良かったり、全部が悪かったり・・・なんてことは無いはずである。

ポイントAが良くても、ポイントBは全くダメ・・・という事がほとんどである。

だから無数にポイントがあるこの川の、普段自分の行くエリアが良いか?悪いか?なんてことは、自分で判断すれば良いのである。



他人の情報など、どうでも良い。

勿論、決して大袈裟には話さない身近な釣友の体験話を聞くのは好きである。

それが自分の行動圏とは全く違うエリアの話でも、そういう「良かった話」や「ダメだった話」を聞くのは面白い。

だからと言って、翌日そこに行ったりはしないけど。



逆に、他人の釣果や情報を元に、それを恰も自分が体験したように、

「今、アソコが凄いよ!」「アソコに魚が沢山いてバクバクだよ!」とか話されても、返事に困ってしまう。



だったら自分が行けば?



そういえば先日、面白いことがあった。

友人のO氏が90cmのダツを釣り、違うポイントでY氏がシーバスを10本近く釣った日があった。

すると翌々日、誰から聞いたのか何処を見たのか知らないが、噂に心踊らせる集団がやってきた。

そして彼ら曰く、「一昨日、ここで90UPが出たらしいですよ!しかも、シーバス10本以上釣ったらしいです!」とのこと。

そして数時間後、又聞きの情報という薄っぺらい話の上で踊り疲れた彼らは、背中を丸めてトボトボと帰っていった。

Yさんがアソコでその釣果をあげるのに、どれだけ通い込んだかを知っている私は、正直ホッとしてしまった。

もっとも、彼らはその曖昧な情報を頼りに、全く別のポイントでキャストしていたみたいだが。

勿論、そこでも普通に釣れるんだけど。



で、話は戻って、今日のウェーディング。

前回来た時よりも底質は安定している。

しかし、気は抜けない。

地雷の恐怖。



ストックで底を突きながら、摺り足で慎重に歩いていく。

そして、股下くらいの水位の位置からキャスト開始。

暫くすると、釣り人が2名入水してきた。

そして、かなり離れた場所でキャストを始める。



沈黙の時間が過ぎていく。



絶対に魚は居る・・・

そう信じて、流れの変化と地形が変化している所が重なっている部分を重点的に狙っていく。

とにかく信じるしかない。

ここに魚、居るのか?・・・などと不安になっってしまった時点で、全ては終ってしまう。

居る!と信じられない場所で集中するのは無理である。

そんな心理状態で無理やり集中しようと思っても・・・結局、心はうわの空、悪循環に陥るだけである。

では、もしそういう心理状態になってしまったらどうするのか?

移動するか、撤収すれば良い。(笑)



ひたすら沈黙の時が過ぎていく。



離れたところでキャストしている方々も魚を掛けた気配は無い。

今回のような「縛り」をやっている時は、他の人の状況も参考になる。

普段だったら自分でレンジを変えて色々と探ることができるが、現在水柱系縛りをしている為、それができない。



バシュっ!



遠くで白い水柱があがった直後、ワンテンポ遅らせてアワセを入れると、手元にグングンと心地よい感触が伝わってくる。

大したサイズではなさそうだが、非常に嬉しい。

そして、寄せに入ると、魚は水面から顔を出してバシャバシャと暴れる。

60cm前後・・・という感じかな?



スポっ。


あ"っ・・・


一瞬にして、心地よい感触は消え去ってしまった。

仕方ない。



その後、再び水面が壊れることは無かった。

そして、23時20分に納竿・撤収。



で、実際に自分で釣行してみて、このエリアはどうだったのか?

うーん、たかだか1回の釣行では何とも言えない・・・

という感じでしょうか。



■HATTORI
■1水柱 0Hit 0Get
■WOOD HAMMER SLIM-13cm





◆2002.11.20(水)20:30-23:30 六日目


本日は千葉の干潟地帯にH氏とウェーディング。

そういえば、このポイント・・・この時期に来たことが無かった。

いや・・・このポイントまで来ようとして、無数の地雷に尻尾を巻いて逃げ帰ったことはあったか。

さてさて、この時期どうなんだろう?



自作ミノーLKJ-SW160をセットして、キャスト開始。



水面から背中を出して引き波を立てながら漂うルアー・・・

毎回毎回、何事もなく手元まで無事に泳ぎ着くルアー・・・

ちょっと向かい風になっただけで、目の前に落ちる気分屋のルアー・・・

綺麗な水面を壊すことのない、非破壊主義の優しいルアー・・・



モワ~ん・・・



突然、LKJ-SW160の後ろで水面が盛り上がる。

しかし、70cm未満の魚は相手にしない主義のこのルアー・・・

いや、正確には「相手にされなかった」・・・と書くべきか。



23時半、冷えきった身体を引き摺りながら撤収。

背骨が痛い。



■HATTORI
■0水柱





◆2002.11.21(木)20:00-23:00 七日目


本日は再び旧江戸川にウェーディング。

今回は一昨日のポイントとは少々違う場所に入ってみることに。



強めの北風によって、川の勢いはかなり増している。

流れの変化をハンマー13で探りながら、ゆっくりと最終目的地まで進んで行く。

まだ、最終目的地である巨大障害物は水面に顔を出していない。



結局、何の感触も得られないまま、最終目的地まで着いてしまった。

水中の巨大障害物と、それが創り出す複雑な流れ・・・

その周辺を、ハンマー13を使って、ありとあらゆる方法で探っていく。

しかし、何の返事も帰ってこない。



優雅にボラがジャンプしている。

こちらに向かってジャンプしている。

おや?・・・段々近づいて来たぞ・・・

頼むから直撃しないでね。

勿論、ボラも馬鹿ではない。

安堵の溜息。



突然、足に何か重たいものが絡みつく。

ドキっ。

まさかエイじゃないよね?

勿論、エイも馬鹿ではない。

わざわざ自分から危険物に近づいて来たりはしないだろう。

やたらエイに好かれている釣友Mさんは例外として。

結局、大きなゴミ袋は、流れに乗って海へと旅立って行った。

ゴミを捨てるのはやめましょう。



気が付けば、巨大障害物がかなり露出している。

残された時間はあと僅か。

衝撃の結末は待っているのか?



しかし、現実はそんなに甘くは無い。

人間が都合良く作った安っぽいTVドラマじゃないのだから。

勿論、時として、それ以上の衝撃的な出来事が起こる事もあるけれど、そんなことは年に数える程度だろう。



だけど、それでも釣りに行く。

年に数回しか無いであろう、その衝撃的な瞬間に遭遇したいが為に。

動かなければ、何も始まらない。



■HATTORI
■0水柱





◆2002.11.22(金)21:00-23:00 八日目


本日は千葉の干潟地帯でウェーディング。

北東風がかなり強く、LKJ-SW160が全く飛ばない。

そこで今日は、向かい風に強いS-FOUR11cmをメインにキャストすることに。



いつもとはまるで違う流れに戸惑いつつ、色々と探っていく。

しかし・・・一昨日同様、何の変化も無いまま、時間だけが過ぎていく。



ピピッ...ピピッ...ピピッ...



22時・・・腕時計に予めセットしておいた「そろそろ時合いだよ!アラーム」が鳴り響く。

ウェーディング釣行時にはいつもセットしている「そろそろ時合いだよ!アラーム」

要するに自分で勝手に考えた、その日のそのポイントの時合スタートの合図。



しかしこの音を聞くと、不思議と集中力も倍増してしまう。

正にパブロフの犬状態である。



しかし、相変わらず水面は壊れることなく・・・

時間だけが過ぎていく。



ゴプッ!



沈黙が破られた瞬間。

不思議な安堵感に包まれる。



62cmのシーバス

貴重な62cmのシーバス。

このサイズでも、かなり嬉しい。



キャスト再開。

再び静かな時間が訪れる。



ピピッ...ピピッ...ピピッ...



23時・・・

静寂の時に終わりを告げたのは水柱ではなく・・・

腕時計に予めセットされた「撤収アラーム」だった。



今日でウェーディングの部は終了。

明日からは陸っぱり。

さて、どうなるのか?



■HATTORI
■1水柱 1Hit 1Get
■S-FOUR 11cm





◆2002.11.23(土)18:00-23:15 九日目


本日は荒川で陸っぱり。

先ずは先日も挑戦した「今年全然良くなかったポイント」に行ってみる。

今日は浮気せずに徹底的にここで粘ってみるつもりだ。

とにかく、ここで反応を得たい。

それだけを胸に、ハンマー13をキャストする。



・・・



結局、3時間粘った結果、アタリのアの字も無かった。

S-FOURに変えても、状況は変わらず。

雰囲気は最高なんだけどなぁ...。

本当は他のルアーも試したいところだが、水柱縛り中なので、今はできない。



撃沈。



潮位がかなり下がってしまったので、低潮位ポイントに移動。

先ずは岸際をS-FOUR11で探っていく。



クンクンクン・・・



やばい・・・いなっ子がスレ掛かってしまったようだ。

しかし・・・

それは、いなっ子ではなく・・・

20cmくらいのセイゴちゃん...。(笑)

しかも2番フックの1本がしっかりと口にフッキングしている。

自分の体の半分くらいあるルアーを、本気で喰いにきたのか?

優しく放してやると、元気に泳いでいった。

将来が楽しみなヤツである。



コイツも80cm、90cmに成長するのだろうか。

いや、そこまで成長してほしいものだ。



80cm、90cmにまで成長した個体も、当然20cmだった時や40cmだった時がある。

いきなり80cmで生まれてくる訳ではない。

普段からリリース!リリース!と口を酸っぱくさせていながら、ある程度のサイズの魚は丁寧に蘇生して、60cmくらいの魚は捨てるように放り投げる人。

勿論、やり取りの時間の違いで体力消耗の度合いは違うのだろうけど・・・

どうもスッキリしない。



普段、絶対にキープするな!と喧しく言いながら、今日は30匹釣った!40匹釣った!と喜んでいる人。

確かにキープした1匹は確実に死ぬ訳だけれども、その人がリリースした30匹のうち、その後もし2匹死んでいたとしたら・・・

その人の天秤では、どちらがその人の言う「悪」に傾くのだろうか?

どうもスッキリしない。



見える死と見えない死・・・

見えない死は見えないのだから何とでも言えるだろう。

俺がリリースした魚は100%生きていると確信している!

そう言われても「そうだ」とも「違う」とも言えない・・・

だって、見えないんだから。



でも、自分の信念を他人にも共感して欲しいのなら、積極的にそういう運動をしているのなら、せめて釣る数をもう少し減らした方が良いのでは?...と思う。

その信念に対して、直接的なことは勿論、間接的な些細なことまでも常にしっかりと考えていないと、ただの「矛盾した人」と思われてしまうだろう。

ただ、例え少々強引なやり方であっても、自分の意見を主張する人は必要だと思う。

それを見たり聞いたりした人は、少なくともその事について何かしら「考える」だろうから。



色々なHPで良く目にするリリースマーク・・・

私は喰いたければ喰えば良いと思っているので張っていない。

勿論、無意味に必要以上の魚をキープする事に対しては賛成できないが。

私の場合、東京湾奥のスズキは喰いたいと思わないので喰わないが、友人の住んでいる南房で釣ったら、友人宅で酒を飲みながら皆で喰うだろう。

だからこのHPにはリリースマークを張っていない。

もし、みんなが張っているから自分のとこも張っておこう....などという村意識的でいい加減な気持ちで張ったとしたら・・・

それは、真剣にこの運動をしている方々に対して失礼である。



色々な意見を参考にした上で、自分が本当に納得した事以外は実行する気はない。

相手が真剣ならば、自分はそれ以上に真剣に考えてから答えなければいけない。

これはなにも釣りに限ったことではない。

世の中、世間体ばかり気にした、顔の無い硝子玉な人が溢れている。

他人に言われるまま、何も考えずに与えられたものを磨き続ける烏合の衆。

「硝子玉はね、いくら磨いても水晶にはならないんだよ。」

そう言っても、その意味すら分かってもらえないんだろうなぁ。

本物と紛い物。



こんな事を書くと、敵が増えるかな。

まぁ、良いけど。



■HATTORI
■0.5水柱 1Hit 1Get
■S-FOUR 11cm





◆2002.11.24(日)19:00-22:00 十日目


いよいよ私にとっての最終日。

最後は荒川で締めることにした。



北北西風が強く吹きつける中、ハンマー13をセットする。

この強風、そしてかなり流れの早いこのポイント・・・ハンマーでは少々厳しいか?

まぁ、何事も試してみるしかない。

それでダメなら仕方ない、素直に受け入れよう。



19時より、キャスト開始。

風に巻かれてなかなか飛距離を稼げない。

それでも一瞬の風の切れ間を狙って、キャストを繰り返す。



先ず、沖目にある流れの変化の境目を狙い・・・

そのまま少し岸よりのブレイクを狙い・・・

最後に岸際を狙う・・・という欲張り攻めを繰り返す。



時間の経つのはあっと言う間である。

気が付けば、既に一時間が経過していた。



少し休憩した後、再びキャスト開始。

ハンマーが流れの境目を通過した後、軽くお辞儀をさせた瞬間・・・

白い水柱が目に入った。

それと同時に、ひったくるような強烈な衝撃が全身の神経を襲う。



ジィィィィ!!!



この早い流れに乗って、魚が走りだす。

最後はバラさずに終りたい。



慎重に寄せ、一番緊張する岸際でのランディングを更に慎重に行ない・・・

しっかりと口を掴む。



68cmのシーバス

銀色に輝く綺麗な68cmのシーバス。

サイズに関係なく、嬉しい1本。



これで今回の水柱縛りの10日間は終了。

今回もかなり楽しめた10日間だった。



■HATTORI
■1水柱 1Hit 1Get
■WOOD HAMMER SLIM-13cm





◆2002.11.25(月)20:00-25:00 納会


本日は「横濱vs湾奥」&「全右連vs左巻団」ガチンコ本戦の結果発表&納会。

場所は横濱海人のDさんの店である「Casa Cantina」。



先ず、今回の対戦の結果は・・・



結果発表

「横濱vs湾奥 ガチンコ本戦」・・・今年の勝者は「湾奥組!」

「全右連vs左巻団 オープン戦」・・・今回の勝者は「左巻団?」



まぁ、この10日間は・・・

全てこの飲み会の為の余興だったりする。



納会

また来年も楽しく遊びましょう!