2002.08.03 (sat) 05:00-10:15

勘七丸本船でシイラ釣行。途中からホエールウォッチング!

 

by HATTORI

Home »  Fishing Report »  2002 /  シイラ釣行 »  2002.08.03

プロとアマチュアの違いとは何だろう?

当然ながら、どんな職種でも金を貰っている以上、アマなんて言葉は存在しない。



極端に言うと、プロである以上「相手の要求に答える」というのは当たり前のことであり、常にその要求以上のことを考えていなければならない。

仮に相手の要求を100とした場合、一生懸命頑張って100に近い数字を出すのはアマチュアであり、平然と100以上を出せるのがプロである。

ちなみに「100以上を出す」ではなく「100以上を出せる」と書いたのは、相手が「120」ではなく「100」を望んでいる場合もあるからである。

この場合「100」を望んでいる相手に「120」を出すのは、単なる押しつけでしかない。



また、当たり前のことだが、プロである以上「99」では許されない。

「99」は「0」と同じでなのである。

逆をいえば、「99以下」でも賞賛されるのがアマチュアの特権である。

ボテボテの内野ゴロを打ったバッターが一塁ベースに全力疾走する。

しかし、一塁ベースの10m位手前の所で、ボールは既にファーストミットの中。

それでもバッターは一塁ベースにヘッドスライディングをする。

結果は、当然アウト。

高校野球では、その行為が美しいとされる。

それはアマチュアだからだ。

しかしプロ野球の世界ではただのアウト、セーフにならなければ意味がない。



よくTVで放送されている「感動裏話」なんてものもプロには必要ない。

これだけ努力しているんだ!こんなに頑張っているんだ!...などと、ことさら強調するのはアマチュア的な考え方であり、単なる甘えでしかない。

自分が一番努力している...などと錯覚した時点で全ては終わりなのである。

もちろん、そのほとんどがテレビ局側の演出だったりするのだが。



ん?・・・なんだか、話が諄くなってきた。

終了。



勘七丸本船

本日は駿河湾より「Team OYAJI」の仕立船で出撃。

今回の船長の操船技術は昨年乗って知っているので、その点では心配はない。

誤解のないように断わっておくが、私がシイラ船の船長に求めているのはただ一つ、「操船のプロである」ということだけ。

ただそれだけ。



魚を探したり、漂流物を探したり・・・なんてことは皆で協力してやるのが当然である。

釣果なんてものは、その時の釣り人の力量で大きく左右されてしまうものである。

そんなことで船長を評価してしまったら、それは船長が可哀想である。

また、ある程度の運もある。

勿論、これは単なる偶然という意味ではなく、確かな技術に裏打ちされた偶然のことを指しているのだが。



午前5時・・・出船。

我々の船だけ、他船とは逆方向に走っていく。

これが吉と出るのか?.....それとも凶と出るのか?



暫く走っていると、綺麗な潮目が続いている場所に出る。

ゴミや流れ藻も、前回に比べると多い。



今日は凄いことになるかも・・・勝手な期待が脳を支配する。(笑)



しかし・・・魚の姿がない。

潮目沿いに流していくが・・・魚の姿が見えない。

漂流物を探すのは船長と中乗りに任せろ・・・ということなので、我々は水面下の魚を探す。



30分くらい走り続けると・・・ようやく魚を発見。

船長に知らせると、船長は直ぐに船を停止し、完璧なポジションに船を付ける。



そして、キャスト開始。

先ずは最近お気に入りのMostrar PENCILをキャスト。

このペンシルの何処が良いのか?...というと、完全固定重心なところ。

自分の動かしたいように動いてくれるところが良い。

また、最近のプラスチック系ペンシルのように、ルアーが勝手にトリックアクションをしたりしないところも気に入っている。



チャプッ!.....チャプッ!.....チャプッ!.....ジャバッ!



しかし・・・80cmちょっとのペンペン。

でも、楽しい。

そして、そのままぶっこ抜く。



再びキャスト・・・しかし、喰ってきたのは60cmくらいのペンペン。

そのままぶっこ抜き、中乗りの了解を得てからすぐに海へ帰す。

勝手に逃がすと怒られるので...。(笑)



大きい魚を探して移動。

しかし、今日はなかなか魚を見つけることが出来ない。

陽が昇って、表層の水温があがったら出てくるのかな?



そして、ここから延々と駿河湾クルーズが始まる。

まぁ、こういう日もあるでしょう。



途中、たまにキャストしてみるが・・・殆どが単発で、他が見当たらない。

でも、このまま潮目沿いをさがしていれば、きっとフィーバーする所を見つけられるでしょう。

そう信じて魚を探していると、良型の群れを発見。



私はトモからキャスト開始。

すると・・・やる気満々の群れだったので、直ぐにメーター位の雌魚がヒット。

船上では皆がフィーバーしているので、ランディング待ち。



そして船長がやってきて、ギャフを振り上げ・・・

ボコッ・・・カシャっ!・・・あっ。



まぁ、仕方ない・・・再びキャスト開始。

すると今度は110前後の雄魚がヒット。

元ちゃんもメーターUPを掛けていたので、絡まないように場所を入れ換わり・・・

引きを堪能してから船縁に寄せ・・・再びランディング待ち。



ランディング待ちをしていると・・・



ザクッ...ザクッ...ザクッ...

ま、まずい!冷凍イワシだ!



丁度その頃・・・



拓洋丸

シイラ友の会で仕立てた拓洋丸がやってきた。

こっちに来た...ということは?・・・反対方面はダメだったのかな?

それとも、バクバクになって散々楽しんでから、こっちに来たのかな?

後で聞いたところによると・・・反対方面は全然ダメだったらしい。



ミヨシの魚のランディングが終わったようで、中乗りがギャフを持ってトモに登場。

そして、先に元ちゃんの魚にギャフが打ち込まれ・・・と思ったら、ギャフ打ち失敗、オートリリース。



そして船長がギャフを持って、私の魚をランディングにかかる。



ガスッ・・・あららっ・・・頼んまっせ~!(笑)

今度こそ・・・ボコッ!・・・嘘でしょぉ~!(冷汗)

3度目の正直・・・カシャーン!(泣)



ルアーと魚の口の間にギャフ打ち込んだら、そりゃ~外れますがなぁ~。

うーむ・・・ランディングは下手っていう噂は本当だったのね。

今度からは自分でランディングしようかな。(笑)



気を取り直して、キャスト開始!...と思ったら、魚は完全に沈んでいる。

こういう時は・・・ポッパーに限る!

しかも逆方向の大遠投!



という訳で、ポッパーを右舷側の遠方へフルキャスト!



ゴプッ!........ゴプッ!.......ゴプゴプッ!.........



ジョボッ!



くうぅぅぅ~・・・乗らない!(笑)



よし、次こそは・・・と思ったら、移動。

でも、どうやらこの場所で冷凍イワシを使い切ったようなので・・・

次に群れを発見したら、今度は長く楽しめるはず。



再び、我々の船は長い航海に出る。

現在、10時15分・・・まだまだチャンスはある。



と思ったら・・・



「帰るのに時間が掛かるから、今日は終了。」.....とのこと。

まぁ、かなり遠くまで走ってきたのだから仕方ないでしょう。



そして、タックルを片付けてマッタリしていると・・・クジラ発見。

そのエリアに向かうと・・・



4~5頭のマッコウクジラ

4~5頭のマッコウクジラがお出迎え。



鯨が悠然と泳ぐ海

鯨が悠然と泳ぐ海・・・なかなか心地の良いものだ。



マッコウクジラ1

これだけ食べ物が余っている今の時代・・・



マッコウクジラ2

別に鯨くらい食べなくても良いんじゃない?



なんてことを、魚の命で遊んでる釣り人が言っても説得力ないか...。






十年一昔。

20代前半の頃、イルカ・クジラ調査団体の活動をちょっとだけ手伝っていた時期がある。

勿論、イルカやクジラが可愛いから...などという理由からではない。

単純に「知りたかった」から。

そして当時、お会いしたり話を聞かせていただくことが出来た様々な分野の方達。

星野道夫氏、岩合光昭氏、ジャック・マイヨール氏、リリー博士にスポング博士・・・

中でも写真家の星野道夫氏は私にかなりの影響を与えた人物であった。

その星野道夫氏も今年の8月8日で、他界してから6年になる。

つい先日のことのようにも思えるが、時間が経つのは早いものである。

そして、ジャック・マイヨール氏・・・彼に会った時は正直驚いた。

映画グランブルーの主人公のモデルとして有名だが、実際は映画に出てくるような静かな雰囲気の人物ではなく・・・

どちらかと言えば、血の気が多く感情起伏の激しいエキサイティングな老人だった。(笑)

でも、何故自殺してしまったんだろう?

今でも不思議である。



鯨の解体1

あまり世間一般には知られていないが、東京から車で2時間くらいで行ける某漁村では現在でも調査という名目で捕鯨が行なわれている。

この漁村に鯨の解体を見に行ったのは、その団体と全くの無関係になってから数年後のことである。



鯨の解体2

そこで見たものは・・・長い間、鯨と共に暮らしてきた人々の姿だった。

世界的に盛り上がる反捕鯨運動と対立する、大手企業に背中を押された捕鯨国日本・・・

しかし、そんな泥沼の対立問題とは全く別の次元の世界がそこにはあった。



鯨の解体3

代々受け継がれてきた解体技法を元に、自分の役割を完璧にこなしていく解体のプロ達。

血と脂の臭いが立ち込め、バリバリと肉が引き裂かれていく音が響き渡る・・・

そんな異質な空間の深層へ飲み込まれていくのに、大した時間は必要なかった。



鯨の解体4

自分が信じる方向に進もうとする時は、必ずその対極を知っておかなければならない。

どんなに頭の中で理解していると思っていることでも、実際に肌で感じなければ解らないことがある。



鯨の解体5

それはどんな些細なことにでも言えることだ。

まして、人に共感してもらおうとしているのならば、尚更である。



手段は選べ。




■HATTORI
■3Get
■Mostrar PENCIL