2002.07.31 (wed) 06:00-13:00

シイラ初挑戦の老船長、繰り広げられるドリフのような世界!

 

by HATTORI

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本日は、Yuさん仕切りで相模湾へ。

今回の出船場所は小田原エリア。

ちなみに私はこの宿は初めてだが、ここの乗合船に乗った仲間曰く「ポイントへの船の付け方が上手い!」とのこと。

しかもこの宿には、平日に限り「5名=45.000円」で仕立てられる...という我々には都合の良いコースがある。

ちょっと期待。(笑)



そして午前6時・・・早川新港から出船!


本日のメンバーは・・・



出船

しゅうちゃん、白川君、元ちゃん、Yuさん、そして私の5名。

ちなみにミヨシに座っているのは、この船の中乗り君。



取り敢えず、真鶴沖から叩きはじめる。

だが、すでに先方に見える他船が叩き終わったようである。

まぁ、これは当然といえば当然・・・

今回の船は馬力が無く、スピードが遅いので仕方がないのである。



でも、結構良さそうな潮目が入っているので、潮目沿いに流していけば他にも色々とあるだろう。



しかし船長は・・・他船が叩き終わった漂流物に向かってゆっくりと船を走らせる。

そして、漂流物から150m位手前で船を更に減速。

まぁ最初だし、取り敢えず1回くらいは叩いてみるか。

我々はキャスト体勢をとり、漂流物が射程距離内に入るのを静かに待つ。



「おーい、投げないのかぁ?」・・・船長の声。



???・・・

船長の意図することが解らない。

何処へ投げろと言ってるんだろう?



「早く投げろよぉ~!」・・・再び船長の声。



ここからキャストしても漂流物から100mくらい手前にしか届かないだろう。



「無理だよ船長!届かないから、もう少し船寄せてよ!」



船は相変わらず微速で漂流物に向かっている。

そしてようやく漂流物が射程距離内に入ったところでキャスト開始。

しかし、魚は全く出てこない。



取り敢えず、もう1投してみようと思ったら・・・

すでに船は漂流物を踏みつけて・・・

先に進んでいた・・・惰性で。(笑)



次の漂流物を目指して、再び船はダラダラと走りだす。

あの漂流物、さっきまで他船が散々叩いていたんだけどなぁ...。

思わずYuさんと顔を見合わせてしまう。



そして船はダラダラと妙なスピードで走り・・・段々と漂流物が近づいてくる。

漂流物が射程距離内に入ったところでキャストしようとするが・・・船は止まらない。

ああ、この漂流物は他船が叩いていたからパスするんだな・・・と、思ったら!



「投げてみ~。」....という、船長の声。



えっ?・・・「投げて」って言われても・・・

漂流物、船の真下にあるんですけど。(笑)



またまた船は先行船が叩いている漂流物の方向へ走りだす。

『Yuさん、なんか...ヤバくない?』

「もしかして、前回の二の舞?・・・」

『このままじゃヤバイなぁ。しかも平塚が今日まで3日間休みだからチャンスなのに。』

「あっち方面行きたいなぁ~。」



私とYuさんの脳裏に前回の悪夢が蘇る。

『船長!他船が叩いた後を追っても仕方ないから、逆方面に行きましょうよ!』



すると、船は逆方向に走りだした。

前回の船長は全く聞く耳を持ってくれなかっただけに一安心。



シイラ探し

そして全員で魚を探すが・・・

船は潮目から離れていき・・・

何もない大海原をダラダラと走り始める。



『船長~!潮目沿いを走りましょうよ~!』



しかし・・・船長はマイペースで我が道を行く。

その時、元ちゃんから衝撃的な話を聞かされる。



「HATTORIさん....自分、さっき嫌な会話聞いちゃったんですよ...。」

『え?どんな?』

「いや、この船長が乗合船の船長に聞いてるんですよ...。」

『え?なんて?』

「シイラって何所に居るんだ?沖を真っ直ぐ走ってればいいのか?.....って。」

『・・・』



船は相変わらずダラダラと走り続けている。

我々が幾らお願いしても無視する船長。

流石に痺れを切らせたしゅうちゃんが船長のところに話に行く。



暫くすると・・・黒い顔を赤くしたしゅうちゃんが戻ってきた。



『船長、なんて言ってた?』

「客の言うこと聞いてると遊んじゃうからダメだってさ!」

『はあっ?』



一気に活性の下がった我々は・・・座り込んでビール&雑談モード。

しかし、それでも目だけは海面を見回している。(笑)



暫くすると・・・しゅうちゃんがシイラのジャンプを発見!

「船長!シイラが跳ねた!あそこ!」



船は我々の指さす方向にダラダラと走り始める。

『船長!もっとスピード上げてよ~!』



しかし・・・船は相変わらずダラダラと走っている。

そして、ようやくシイラの跳ねた付近に到着。

見回すと、小さな流れ藻が浮いている。



皆、一斉にキャスト開始。

するとYuさんに良型がヒット!



そして船縁まで寄せてくると・・・

メーターオーバーのシイラが姿を現した。



60cm径の小さなタモ網

中乗り君がネットを持ってスタンバイするが・・・

えっ?・・・何それ?・・・嘘でしょ?・・・



中乗り君が持っているのは、60cm径の小さなタモ網。

しかもネットの根元が弱く、グラグラしている。



どう考えても・・・それじゃぁ、つらいでしょ・・・



しかし、この船にはこのタモ網しか積んでいないそうだ。

ここは中乗り君のランディング技術を信用するしかない。



Yuさんが完全に魚を浮かせたところで、中乗り君がネットを突っ込む。

ネットにフックが引っ掛かり、魚は半分も入らない。

だが、中乗り君はそのまま抜き上げようとする。



当然、魚はネットからこぼれ落ち・・・

フックはネットに絡んだまま・・・



バタバタ!・・・

ボチャン!・・・

さようなら~。



魚の重心が枠外にあるのだから、当然の結果でしょう。

結局、このポイントではこの1本のみ。



再び、船はダラダラと走りだす。

暫く走っていると・・・遠くでシイラのジャンプを発見。



『船長!あそこ!今、跳ねた!』



船は指さす方向へダラダラと走り始める。



『船長!もっとスピード上げてよ!』



しかし、船長は一向に加速しようとせず、相変わらずのダラダラ走行。

ようやく魚の跳ねた付近に到着すると、小さな漂流物。

2~3投してみたが、反応無し。



すると船長、ニヤニヤしながら「どこに魚いるんだよぉ~」だとさ。



再びダラダラ走行が始まる。

すると遠くに今までに比べると少しまともな流れ藻が浮いているように見える。



『Yuさん、あそこに流れ藻が浮いてない?あれ、流れ藻だよね?』



すると、その脇でシイラがジャンプ。



『船長!あそこ!流れ藻!』

「どこぉ~?」

『いいからこの方向に走って!!!』



で、お約束のダラダラ走行。(笑)

ミヨシの私とYuさんはキャスト体勢を取り、流れ藻がキャスト圏内に入るのを待つ。



すると・・・

またしても、かなり手前で船が止まってしまう。



『船長!もっと前だよ!前に出して!』



船は惰性でゆ~っくりと前進する。

そしてキャスト圏内に入ったところでキャスト開始。

しかし・・・船は止まらずに、そのまま前に進んで行く。

これでは、ルアーアクションどころではない。

ひたすら糸フケを巻き取るのが精一杯。



『船長!止めて!』

「ストップ!ストップ!ストップ!!!」



ようやく船が止まり、再びキャスト。

するとそこにはやる気満々のシイラ達が待ち受けていた。



そして、Yuさんのトビペンにメーター級がヒット!

続いてすぐに、私のMostrar Pencilにもメーター級がヒット!

でもって、しゅうちゃんのカルナにも同じくメーター級がヒット!



Yuさんは右舷側へ、しゅうちゃんは左舷側へ、そして私はトモへと移動してやり取り開始。

素早く慎重に魚を浮かせて、タモをお願いしようと思ったら・・・Yuさんが使用中。

小さいタモで苦戦しながらも・・・Yuさん、メーターちょいをランディング。



左舷を見ると、しゅうちゃんの魚もタモ待ち状態。

「しゅうちゃん、先にやっちゃって良いよ!」

ということで、再びタモ待ち。

流石にライトタックルのしゅうちゃんより先にタモを使うのは気が引ける。(笑)

そして、しゅうちゃんもメーター丁度をランディング。



で、ようやく私の番。

中乗り君がタモを持って駆けつける。

しかし・・・この中乗り君、どうやらタモ入れに慣れていない様子。



『タモ入れ、苦手なの?』

「すいません・・・実は自分、今までアジしかタモ入れした事がないんです。」

『あっ...そうなんだ。まぁいいや、この魚で練習してみな。』



中乗り君が魚を入れられないでアタフタしていると、痺れを切らしたしゅうちゃんがやって来てバトンタッチ。

流石、自分で「タモ入れ名人」と言うだけあって、上手。

ネットの手前にフックを引っ掛けずに、ネットのギリギリ奥まで魚を突っ込み・・・

ネットが小さいので魚体が飛び出しているが、魚の重心は何とかネットの中。

そして、そのままランディング。



114cmの牝シイラ

で、114cmの牝シイラ。



再びダラダラ走行が始まる。

暫くすると・・・遠くにナブラを発見。



『船長!あそこ!ナブラ!ナブラ!!!』



船は指さす方向へダラダラと走り始める。



『船長!あそこ!』

「どぉ~こぉ~?」



キョロキョロしながらダラダラと船を走らせる船長。



流石に我慢の限界である。



「なにチンタラ走ってんだ、テメエは!!!」



ここから先には一部、不快感を与える表現等が含まれていますので・・・

以下、自粛。




『XXXXX!OOO!!!』

「%%%!$$$$$$$!!!」



我々の怒鳴り声に・・・ようやく、船のスピードが若干だが上がり始める。

そしてナブラが近づくにつれて、その壮絶な光景が明らかになっていく。

イワシ団子に2mくらいのサメ数匹が、海面から半分以上体を出してイワシを喰い上げ・・・

その周りではメーター級のシイラが狂ったようにイワシを襲っている。

ここまで壮絶な光景に遭遇するのは初めてだ。



しかし・・・ナブラの100m以上も手前で船は止まってしまった。

そして、船長・・・ニヤニヤしながら・・・



「あれはサメだよ~。お前ら、サメ釣りたいのかぁ~?」



『●●か、○○○○は!!その脇のシイラが見え◎◎◎◎!▲▲!!!』

「いいから早く船を前に■■■■■■!前だ、前!」



船はダラダラとナブラに近づいていく。

キャスト可能範囲に入ったところで、一斉にキャスト開始。



私は既に114cmを捕っているのでミヨシを他の人に譲り、胴に移動してキャスト開始。

タックルもシイラロッドからシーバスロッド?エイロッド?に変えてお遊びモード。(笑)

ちなみにロッドはエンターソルトML、リールはアルテグラ4000、ラインは東レPE2号+リーダー東亜PE4号2m+東亜ナイロン50ポンドを20cm。

要するに、普段私がウェーディングでシーバスを狙うときのタックルである。



「ヒット~!!!」

しゅうちゃんの雄叫びが聞こえてくる!

そして続けざまに・・・

「ゲ~っ!ペンペンが喰っちまった~!」

しゅうちゃんの嗚咽が聞こえてくる。



思わず吹き出してしまい、手が止まりそうになるが・・・こっちもそれどころではない。

既に私のMostrar Pencilの後ろからメーター級がウネウネと喰うタイミングを狙って追ってきているのだ。



移動距離を短くしてチャプチャプと誘うと・・・



ゴボっ!!!



ジィィィィィィ!!!




ペラペラロッドでの初フィッシュは、メーターUP!

これは苦戦するかなぁ?・・・と思ったら、そうでもなかった。

まぁ、要はロッドがヤワになっただけのこと。

リールのパワーが落ちただけのこと。

結局のところ、やり取りのコツはシイラロッドと何ら変わらない。



で、魚を浮かせて、現在しゅうちゃんが使用中のネット待ち。



そして、ネットを持って中乗り君登場。

明らかに緊張している様子。

そして、魚をネットに収めようとすると・・・

過酷な使用に耐えられなかったのか?...枠の付け根が先程よりもグラグラしている。

そして、ネットにフックが引っ掛かり・・・魚は大暴れ・・・

これは終わったかな?・・・

しかし、運良くネットからフックが外れ、興奮した魚は一気にラインを出して走りだす。



で、しゅうちゃんが駆けつけ、バトンタッチ。

再び魚を浮かせてタモ入れ開始。



ところが・・・

先程は牝だったので奥まで入ったが・・・

今回の魚は雄・・・当然、奥まで入らずに、重心も枠の外。



「頭はネットの中だから、ハンドで尾を掴んじゃう?(笑)」



そして、Yuさんが船から身を乗り出し・・・


ハンドランディング成功。(笑)



112cmの雄シイラ

で、112cmの雄シイラ。



再び船はダラダラと走りだす。

あまりのダラダラ走行に・・・Yuさん再びブチ切れる。

「●●●?XXXXXXXXXX!!!」

そして操船室に走っていく。

「◎◎◎◎◎◎!▲▲▲▲▲▲▲!■■■!!!」



しかし・・・船長から思わぬ言葉が。



「そんなこと言ったって、シイラやるの今日が初めてだからなぁ~...笑」



『#########!!!』




こうなってくると、正にドリフの世界である。

お題は「もしも、こんなシイラ船の船長がいたら?」かな?

いかりや長介さん、はやく出てきて「ダメだコリャ~!」って決め台詞を言ってくださいませ。





再び魚を求めて船は走りだす。

流石にダラダラと流すことはなく、適度なスピードで船は走行する。

やっとシイラ船らしくなってきた。(笑)



暫くすると、シイラのジャンプを発見。

そして、その付近に急行すると・・・小規模な流れ藻。



ここで元ちゃんに余裕のメーターオーバーがヒット。

しかし、途中でフロントフックが口から外れてしまい、なかなかコントロールできない状態になってしまった。

しかも良型・・・これは大変そうだ。



元ちゃん

そして、トモに移動してやり取りしていると・・・



「何やってんだよぉ~、人間が移動してるようじゃダメだなぁ~」

と、船長がニヤニヤしながらチャチャを入れる。



今まで我慢していた元ちゃんも・・・流石に我慢の限界。

元ちゃんの目が、見る見るうちにサメのような目に変わっていく。



「▲▲▲▲▲▲▲!!!◎◎◎◎!■■■!!!」



結局、ラインが船底に擦れてしまい・・・ブレイク。



キャストを再開すると・・・何やらトモで中乗り君がロッドを上下に煽っている。

えっ?・・・ジグ?・・・じょ、冗談だろ???

「おいおい!全員がトップ引いてるのに、中乗り君がジグ沈めてどうすんの?(爆)」



妙な疲労感

皆、喉がガラガラ・・・そして妙な疲労感。

暫く何も無い時間が過ぎていく。



ようやくソーダの群れを発見。

「ソーダの群れにシイラが付いてるかもね。」



勿論、キャスト開始。

すると、しゅうちゃんにペンペンがヒット。

そのまま寄せてくると・・・その後ろに130UPのシイラが付いてきている!



丁度、私のペンシルが足下まで来ていたので、芦ノ湖バス感覚の間で小刻みに誘いをかけてみる。(笑)

隣でYuさんも誘いをかけている。



『おっ!俺のに興味を示したぞ~!』



そのシイラはゆっくりと私のペンシルに近づいてくる。



そして・・・



スゥ~・・・パクッ。



ジィィィィィィィィ!!!!




ペラペラロッドがブチ曲がり、ラインは一気に50mくらい出され・・・

遠くでジャンプ!



余裕?

余裕のピースサイン?

というより、既にメーターUPを2本捕って十分満足だったので、今回はお気楽モードで遊ぶことにしてみた。(笑)

しばらくシイラの引きを楽しんでいると・・・



「何が掛かったんだ?」....と、船長。

『え?・・・シイラだよ!見てたでしょ!(笑)』

相変わらずな船長である。



そろそろ魚を浮かせようとしていると・・・

「なんで俺にはペンペンで、そっちにメーターなんだよ~!」...と、しゅうちゃん。

『小物を誘うアクションと大物を誘うアクションが、あ・る・の!(爆)』

「ねえよ!大体その魚は俺がペンペン掛けたから、スイッチ入ったんだからな~!」

『うん。この魚は間違いなくしゅうちゃんが連れてきたね。ごちそうさま!(笑)』



などと、後ろを向いてバカ話をしながらやり取りしていたら・・・



バラシ

フックが伸びた。(泣)

遊びながらも、真面目にやらなきゃダメね。

相変わらずアホである。



そして帰港時間も近くなってきたので、船は港に向けて走りだす。

途中、ブイがあったのでキャストしてみると・・・白川君にヒット。



「なんだよ~、根がかりかよ。ダメだよ、そこ投げちゃあ。ロープ入ってんだから~!」と、船長。

『根がかりじゃねぇよ!さ・か・な!』



相変わらずな船長である。(笑)



「あれ?なんかマツダイみたいな引きじゃない?」

『いいなぁ~、マツダイ~』



しかし、姿を現したのは・・・ミニラ。(爆)

そして、そのまま納竿・撤収・・・そして帰港。



今日は、なんとも言えない一日だった。

でもまぁ、「老船長の処女航海」に乗ってしまう...なんていう経験はそうそうできるものではないので、ある意味貴重な経験かもしれない。

それに当分、この話を肴に笑える酒を飲めるだろうし。(笑)

まぁ、この手の体験は三日も経てばただの笑い話、悲惨なら悲惨なほど楽しい思い出。



しかし・・・

正規料金を取って営業するのなら、せめて一度くらいはシイラに慣れた船長の船に乗って、どういう釣りなのかを経験してから客を乗せたほうが良いのでは?

乗合船の船長に聞いたら「疲れるからやだよ~...」と言って、一度も乗ってないそうだ。

いくら乗合船の船長が頑張っても、こういう船長が一人居るだけで、その宿の評判は落ちてしまう。

今はシイラブームだからそれでも客は来るだろうけど・・・

でも、そんなんで良いの?




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